飲・食料品世界的な品評会「モンド・セレクション」の事務局は、ベルギーの首都・ブリュッセルのEU本部内にあり 世界各地で生産・販売している飲・食料品を対象に、応募のあった商品を12分野に分け審査されます。 97年はベルギーの首都・ブリュッセルで開催され、 特に「酔蝶花」が3年連続で金賞をとり、インターナショナルハイクオリティトロフィーを授与されました!
蔵元のコメント 世界的な食品飲料鑑評会であるモンド・セレクションの97年度金賞に「酔蝶花」と「春岳」の二つの製品が 選ばれた。いずれも、福井県原産のコシヒカリを原料にした純米吟醸酒だ。 酒米には向かないと考えられてきたコシヒカリをあえて使って世界に通用する味を創り上げたのは、 300年の歴史、こだわりの技術である。コシヒカリは長く日本一のコメの座に君臨しているが、 それは炊いて食べる場合に限られる。 お酒にすると、おいしさのもととなるたんぱく質が反対に雑味の成分になりやすい。 このため、仕込には、雑味の 少ない山田錦などの酒コメが好んで使われる。 私は、常識に挑んだ。コシヒカリは福井県農業試験場で生まれたコメなのに、市場の評価では 新潟産に遅れを とっている。せめて越前コシヒカリで酒を造り、福井の意地を見せたかった。道は険しかった。 当初造った酒はどれもこれも味がくどすぎ、「コシヒカリは酒に向かない」という定説を、 図らずも証明する結果になってしまった。当時の酒は、捨てるに捨てられず、蔵の中に眠っている。 精米度を上げればくどさは減る。しかし、コシヒカリは酒専用米ほど粒が大きくないため磨きすぎると 割れてしまう。 なにより、コシヒカリの旨味を引き出そうとの商品コンセプトに反する。精米度は 55%(45%を落とす)にとどめた。 残るは、仕込みの温度管理など、 酒造りの基本技術を工夫するしかない。 私と杜氏(とうじ、技術責任者)は試行錯誤の末、コシヒカリの欠点を抑え、長所を引き出す手法を会得した。 出来上がった酒は、ほんのり色が付いている。コシヒカリのうまみ成分だ。コクに富んでおり、 山田錦の酒ではないことが分かる。日本酒の傾向は淡麗辛口であり、審査員は雑味を嫌う。 コシヒカリの酒は日本の鑑評会に出しても高い評価が得られないことは私にもわかっていた。 ならば海外しかない。 私は、白ワインの上品さと同時に赤ワインの野性味を愛するヨーロッパ人なら コシヒカリの酒を理解してくれると予想し、モンド・セレクションに出品した。予想は見事に的中した。 9月7日、ベルギーのブリュッセルで金賞が授与された。 中身だけでなくパッケージにも工夫を凝らしている。主力製品である「酔蝶花」は、金粉とともに 梅と桜の花を酒に散らした。酒の中に花を入れる技術は朝日酒蔵が特許を取っている。 また、瓶は薄い青の六角柱の特注品だ。 「しゃれたスナックに置いてもしっくりするように」と、 私自身がデザインした。舌で楽しみ、目で楽しみ、コメ選びのこだわりを楽しむ。 近年、朝日酒蔵の製品は地元の福井とともに激戦地の東京でも花が開き始めました。
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